
障害者グループホームとは

グループホームとは「知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家」のことを指します。
グループホームには、大きく分けて「高齢者グループホーム」、「障害者グループホーム」の2つがあります。本記事では、「障害者グループホーム」について、詳しく解説していきます。
障害者グループホームの入所条件と3つのサービス形態
まずはじめに、障害者グループホームを利用する際の入所条件と、サービスの種類について解説していきます。
障害者グループホームの入所条件
障害者グループホームの入所条件は以下になります。
①障害者総合支援法に定める、知的障害、身体障害、精神障害、発達障害、難病のある”障害者”に該当する方
②18歳以上の方(条件により15歳以上から入居が可能な場合もあり)
※身体障害者の方は、65歳未満であること(65歳になる前日までにサービス利用がある場合は、65歳以降も利用できます)
※対象となる障害の種類は、グループホームによって異なりますので、事前に確認をしましょう。
3つのサービス形態
障害者グループホームには、3種類のサービス形態「介護サービス包括型」「外部サービス利用型」「日中サービス支援型」があります。それぞれについて、詳しく解説いたします。
介護サービス包括型 | 外部サービス利用型 | 日中サービス支援型 | |
介護サービスの提供 | 夜間・休日 (施設内で提供) | 夜間・休日 (外部委託) | 常時 (施設内で提供) |
障害の程度 | 中程度の人が多い | 軽度の人が多い | 重度の人が多い |
事業所数* | 8,670 | 1,301 | 348 |
【参考】令和3年4月時点の事業所数(出典:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)」グループホーム3類型の比較)
介護サービス包括型
朝や夕方~夜間、休日に、食事・相談・入浴・排せつ等の介護やその他の日常生活上の援助が受けられます。軽度から重度まで幅広い方が利用する傾向にあり、利用者の方が安心して過ごせるよう支援サービスを提供しています。
外部サービス利用型
介護サービス包括型と違い、施設職員が相談や家事等の日常生活上の援助のみを行い、入浴・排泄などの介護は、グループホームが委託契約を結んだ指定居宅介護事業者が行います。比較的に軽度な障害の方が利用しています。
日中サービス支援型
日中(夜間・休日以外)も援助を利用できるサービス形態で、日中に活動に行くことが難しい重度の方・高齢者が利用します。
障害者グループホームの費用
では、実際に障害者グループホームへの入居を考えた場合、どんな費用がかかるのでしょうか。
大きく分けて、「障害福祉サービス利用料」と「その他の費用」の2つがあります。敷金や入居一時金、保証金などは通常ありません。
障害福祉サービス利用料
名称の通り、障害福祉サービスを利用するためにかかる費用のことです。利用者の障害支援区分や世帯の所得等によって異なります。(総額の1割を負担)
次の4区分の負担上限月額が設定され、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じない仕組みになっています。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) ※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
②その他の費用
日常生活を送る上で必要な食費や居住費などの費用のことです。以下のような費用が発生します。
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 日常生活費
特に家賃は地域によって差が大きく、同じ地域でも施設によってバラバラですので、利用を検討する際にはこちらも事前に確認をしておきましょう。
障害者向けグループホーム(共同生活援助)は65歳以上でも入れる?
障害者向けグループホームについては、「65歳の壁」と言われることがありますが、これは一体どういうことでしょうか。
グループホームにおいての「65歳の壁」について解説していきます。
障害種別ごとの障害者グループホームの入居上限年齢
障害者向けグループホームの入居可能年齢は、知的障害者、精神障害者、難病患者の場合18歳以上であれば上限がなく、身体障害者は64歳までに入居している場合は65歳以上になっても継続して利用することができます。
では一体何が壁で問題なのかというと、身体障害者で65歳になるまでグループホームを利用していなかった方は、障害者グループホームを利用できない、という事がグループホームにおいての「壁」に該当します。
65歳以上になると、介護保険と障害福祉サービスに同一内容のサービスがある場合、優先的に介護保険サービスが適用されることになるのですが、介護保険のサービスでは生活上の支援が足りない、また自己負担額が増えるなどの理由で、障害福祉サービスの利用を望む声が多くあり、これが「65歳の壁」と言われるようになりました。
(障害者総合支援法の第七条(介護保険優先))
身体障害者の方で、高齢者の入居施設ではなく、障害者グループホームや入所施設への入居を検討されている場合は、65歳になるまでに利用を開始できるようにしましょう。高齢者の入居施設には特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム、介護型ケアハウスなどがありますが、順番待ちでなかなか入ることができなかったり、高額な費用を要することがあります。
自分にあったグループホームを探す方法は?
ここまで障害者グループホームの入居条件や種類、費用感について解説しましたが、いざ自分で障害者グループホームを探そうと思っても「どう探せばいいのか?」と迷うのではないでしょうか。
そんな方におすすめの探し方を紹介します。
相談支援事業所で相談する
相談支援事業所では、どのような障害福祉サービスがご自身に最適か提案を行ってくれます。地域のグループホームでおすすめなところがないか相談してみましょう。お住いの地域にグループホームの空きがない場合や、最初から別の地域で探したい場合は、次の方法も活用することをお勧めします。
WAM NET「障害福祉サービス等情報公表検索サイト」で検索する
独立行政法人 福祉医療機構が運営するワムネットというサイト上に、障害福祉サービスを検索できるサービスがあります。主に住所検索からグループホームを探すことができます。住みたい市区町村が限定的である場合はこちらで探す方法がおすすめですが、そうでない場合はグループホームの条件(対象としている障害の種類、グループホームのサービス形態、住まいとしての特徴などから検索することができないため、希望のホームをなかなか見つけにくいかもしれません。
障害福祉サービスの検索サービス「フクシー」で探す
障がい福祉サービスの事業所検索サービスが新しくオープンしました。施設の紹介や写真、スタッフの声など、公的機関のサービスでは得られない特別な情報も公開されています。
直近の募集状況も掲載されているので、気になるホームを見つけたら問い合わせてみましょう。ミスマッチも少なく、自分の希望に合ったグループホームを見つけることができますよ!
まとめ
障害者向けグループホームについての知識が深まると同時に、どのようなサービスがあるのか、利用の方法や料金負担額についても知ることができたと思います。
WEBサービスでも簡単に探せるポータルサイトがありますので、検索サービスや相談支援サービスを活用して自分に合ったサービスを探していきましょう。
