
障がい者グループホームや障がい者福祉サービス事業所を運営されている皆様へ。
2025年(令和7年)3月、厚生労働省が発表した運営基準改定案により、「利益供与」の範囲がより明確化され、特に成果報酬型広告サービスの利用には慎重さが求められるようになりました。
本記事では、福祉事業所が利用者を募集・集客するうえで気をつけたい「利益供与の禁止」に関するポイントと、安全な広告手法について解説します。
利益供与とは?福祉施設が気をつけるべき行為
厚生労働省によると、「利益供与」とは、利用者の紹介や送客の見返りとして金品や経済的利益を提供する行為を指します。
該当する主な行為の例:
- 他の事業所や相談支援専門員への紹介料の支払い
- 入居者へのお祝い金の提供
- 利用者が他者を紹介した際の特典や金銭の授与
これらは、利用者の自由意思による選択を歪める行為とされ、福祉制度の中立性・公正性を損なう危険があるため、厳しく制限されています。
利益供与の罰則|違反した場合のリスクとは?
利益供与が発覚した場合、以下のような具体的な罰則や行政処分を受ける可能性があります。
- 指定取消し・業務停止命令
障がい福祉サービスの指定事業者資格を取り消される、あるいは業務停止命令を受ける可能性があります。 - 報酬返還・加算停止
不正に得たと判断された報酬については、返還命令や加算の停止などの措置が取られることがあります。 - 刑事責任(贈収賄・詐欺等)
提供内容によっては、贈収賄罪や詐欺罪に該当する場合もあります。特に公務員等への提供は、刑事事件として立件される可能性も。 - 指定更新の拒否
不正行為の履歴があると、次回の指定更新が拒否されるなど、将来的な事業継続にも深刻な影響を及ぼします。
成果報酬型広告に関する明確化(2025年改定案)
これまでグレーゾーンとされていた「成果報酬型広告」について、厚生労働省は2025年の改定案で以下のように明記しました:
「名目にかかわらず、実質的に利用者の紹介の対償として財産上の利益を提供していると判断される場合は、利益供与の禁止に該当すると考えられる。」
このため、入居や利用決定後に広告費が発生するタイプのサービスは、紹介料と見なされる可能性が高く、法令違反のリスクが指摘されています。
適切な広告手法:掲載課金型広告
一方で、厚労省は以下のような広告方法については適切であると示しています:
「指定障害者支援施設が、自法人の情報をホームページ等に掲載するために、情報掲載の対価として掲載料を支払うことは、適切と考えられる。」
このような「掲載課金型」広告は、成果に関係なく定額で情報掲載を行うスタイルであり、利益供与には該当しません。
よくある質問(FAQ)
Q. 成果が出ないのに広告費を払うのは無駄では?
A. 法令に準じた広告は信頼性が高く、継続的な利用者の獲得につながる可能性があります。
Q. 成果報酬型を現在使用しているが、即違反となる?
A. すぐに処分対象になるわけではありませんが、制度改定を踏まえて見直しを検討すべき段階です。
補足情報:掲載課金型サービスの一例
障がい福祉分野に特化した情報掲載サイト「フクシー」は、成果報酬型ではなく定額制の掲載課金型サービスを採用しており、利益供与に該当しない安心できる集客手段として活用されています。
また、フクシーは障がい福祉業界専門の運営会社によって提供されており、利益供与の禁止規定に関しても十分な理解と配慮のもとにサービスが設計されています。
特徴:
- 利用者募集のための情報発信に特化
- 成果に依存しない明確な料金体系
- 法令に準拠した運用方針
▶ 詳しくはこちら:https://fukucie.jp/
まとめ|適切な集客手法で信頼を築く
2025年の制度改定により、成果報酬型広告が利益供与に該当するリスクが明文化されました。
福祉事業者には、法令順守と中立性の確保がますます重要になっています。
成果に依存しない掲載課金型広告を活用することで、法令を遵守しながら、適切に事業の魅力を伝えることが可能です。
今後の集客手段の選定においては、こうしたリスクの少ない方法を積極的に検討していきましょう。